関税暫定措置法第八条における製品輸入期間の延長について(要望)

関税暫定措置法第八条における製品輸入期間の延長について(要望)

JAFICは令和2年10月に、関西ファッション連合、日本繊維輸出組合、日本繊維輸入組合とともに財務省関税局業務課へコロナ禍における「関税暫定措置法第八条における製品輸入期間の延長について(要望)」を提出しました。

2020年10月23日

財務省関税局業務課

ご担当者様

 

関税暫定措置法第八条における製品輸入期間の延長について(要望)

 

平素より、繊維・アパレル・ファッション関係各団体の諸活動につきまして、ご理解・ご支援を賜り、深く感謝申し上げます。

さて、この度の新型コロナウイルスの感染拡大により、アパレル業界にも非常に大きな影響が及んでいます。特に、緊急事態宣言の発令により、都心の百貨店や駅ビル、ショッピングセンターといった商業施設に入居する主要店舗が臨時休業や時短営業を余儀なくされたことで、多くのアパレル企業において売上はかつてない大幅な減少となり、商機を逸した春物・初夏物の大量の在庫負担を抱える中で家賃や従業員の休業補償などが経営を圧迫し、廃業・倒産が現実のもとなっている非常に厳しい状況にあります。6月に入り経済活動が正常化に向けて動き出したものの、依然として先行きの見えない状況にあり、家計の防衛意識から嗜好品に位置づく衣料品への支出意欲が低下し、また、GO TOトラベルなどの経済活性化対策も取られているものの、新しい生活様式における外出機会の大幅な減少はおしゃれへの消費の低迷に繋がっており、アパレル業界における需要回復には時間が掛かる見通しです。

現在、来るべき正常化に向けて生き残りを目指し、関連企業において在庫の解消や今後の生産仕込み、製品企画の変更など様々な対応について検討を重ねているところですが、衣料品は季節性、流行性が非常に高いため、新型コロナウイルスの影響により当初の製品企画を大幅に変更せざるを得ず、企画を翌シーズンへ持越しとするなどの柔軟な対応が求められています。また、製品企画において機能性や付加価値を高める重要な要素として厳選された生地は、季節性の高い素材も多く、他の企画に転用することが難しい場合が多くあります。

こうした中、関税暫定措置法第八条(加工再輸入減税制度)を活用した輸入関税減税を前提とした持ち帰り貿易の製品企画において、企画を翌シーズンへ持越しとする場合、同制度は、「その輸出の許可の日から一年(一年を超えることがやむを得ないと認められる理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受けたときは、一年を超え税関長が指定する期間)以内に輸入されるもの・・・」とさ

れており、製品の輸入が原材料の輸出の許可の日から一年を超えることとなり、税関長の承認を受けられない場合は、同制度が適用できないことになります。

同制度は、繊維が対象品目となってから約30年が経過し、同制度を活用した輸入関税減税を前提とした持ち帰り貿易は、企業の重要なビジネスモデルとして確立され、日本のアパレル企業並びに繊維商社の間で広く活用されておりますが、日本製原材料の需要下支えを図ると共に、これら需要の維持・喚起の役割を果たしております。また、繊維産業は、アパレル・ファッション産業を商品の出口とし、衣料品製造に関わる縫製、染色加工、製織やニット製造、原糸メーカーから服飾資材メーカーまで、実に裾野が広い産業であり、アパレル・ファッション産業の不振はサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼすものと考えております。

つきましては、新型コロナウイルスの影響により製品の輸入が原材料の輸出の許可の日から一年を超える場合において、関税暫定措置法基本通達第10節(加工又は組立てのため輸出された貨物を原材料とした製品の減税)8-10(加工組合立減税に係る製品の輸入期間の延長承認申請手続)に定める手続きに従い期間の延長を申請したものにつきましては、同8-9(「1年を超えることがやむを得ないと認められる理由」の範囲))に定める「1年を超えることがやむを得ないと認められる理由」としていただき、関税暫定措置法第八条の適用を認めていただけますようお願い申し上げます。また、延長の申請・適用に際しては、多くの証憑を必要とせず認めていただけますようお願い申し上げます。

この度の新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、一企業の経営努力の範囲を超えた事態であり、これまで以上のご理解・ご支援を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

 

要望団体

協同組合関西ファッション連合

一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会

日本繊維輸出組合

日本繊維輸入組合

(50音順)

連絡先 日本繊維輸入組合

住所 東京都中央区日本橋本町1丁目7番地14号

電話 03-3270-0791