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2021.03.19

女性活躍推進のための取組

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女性が多いアパレル業界ですが、女性の活躍が遅れています。アパレル業界の顧客の多くは女性、働く人の多くも女性にも関わらず、女性が働き続けられない、組織のトップに女性がいない、という「継続就業」「女性役職登用」の課題があります。女性にとっても働きやすく成果を出せる組織づくりに取り組んでいくことは、企業や業界の存続にも関わる重要な取組と言えます。
今回は、担当コンサルタント大西素子氏から、当取組について好事例を共有いただきます。

 

Q.今回ご支援いただいたのは、創業65年の丸安毛糸様という老舗のニット企業ですが、ご相談内容はどのようなものでしたか?

 

丸安毛糸様本社

A.当初ご相談を受けたのは、「社内の女性5人が結婚したばかり。育休中の女性一人。経営陣に女性がいない。今後、様々なライフイベントを控える社員がいるが、どこが不安で何を変えていけば良いのか?」という社長からの投げかけでした。社内で唯一育児をしている女性社員と今後もライフイベントを控える女性社員のお二人が中心となって、会社としてどのようなことに取り組んでいけば良いか考え始めました。
経営者も人事担当も、女性たちがどのようなことに不安を抱いているか漠然としており、また、結婚出産などの話はナーバスで、独身子どもなしの方や育児は妻まかせの男性にとっては話題にしづらくピンとこないテーマでもありました。そこで近い将来確実に家庭と仕事の両立をしながら働き続けられる体制が必要となってくるので、考えておきたいということでした。

 

Q.まず初めに取り組んだ内容はどのようなものでしょうか?
A.会社側も働く女性の側も、結婚・出産・育児を経て働き続けて活躍する女性がこれまでおらずイメージが湧きにくいため、まずは「育児と仕事の両立」について、国や企業にとって両立の必要性・他社事例・法定制度・制度だけでは補えない風土醸成、などについて勉強会をしていきました。
本来でしたら従業員が集まって一緒に学び考えたいところでしたが、コロナ禍であったためオンライン形式で開催しました。1時間半しっかりと講義を聞いていただき、聞くだけではなく一人一人感想を述べ、アンケートにもしっかりと答えていただくことで、従業員の不安や関心ごとが見えて来ました。ライフイベントを控える女性たちにとっては「自分ごと」としての関心が高く、一方で当事者以外には理解してもらえるだろうか?という不安もありました。参加者からは「上司や男性陣にも聞いて欲しい」というリクエストもあり、同じ内容で後日男性を対象に勉強会を行う運びとなりました。
 第2回の勉強会も男性陣を集めオンラインで開催し、参加者一人一人から感想を述べていただきましたが、女性社員の感想とは違い「自分ごと」として捉えにくい傾向も見られました。そのため、課題を検討する際には限られた女性だけではなく男性幹部にも入ってもらい「自社の課題」として検討して行くことにしました。

 

Q.課題の検討の際は、どのような点に重点を置いて実施されたのでしょうか?

 

社内意見交換会の様子

A.勉強会を実施した後日、「社内意見交換会」を対面形式で実施し、ワークや議論を行い、何を不安に思っているか見える化し、「不安」を「課題」に置き換えて解決策を考えていきました。その際、A管理部門 B 制作部門(職人)で別れて話し合いましたが、どちらかといえば管理部門は休みを取ったりテレワークなどの働き方の導入も可能であるが、制作部門(職人)はブランクによるスキルダウンや業務が属人化してしまっていることによって代替えが困難などという課題があげられました。
社内意見交換会で様々な意見を集約した結果、育児と仕事の両立の前に「業務体制の改善」が必要とわかりました。例えば朝は全員8時には出社や古い商習慣を変えていかなければならないという「業務の進め方」に関する意見が非常に多く、こういった内容を検討し、会社としての方針を打ち出して行くこととなりました。

 

Q.その後の検討結果や会社としての取組には何か変化は見られたのでしょうか?
A.前回の意見交換会から4ヶ月後に、社内の取組状況を確認しました。産休・育休を実際にとる社員が出て来て、在籍している製品課(専門職)の業務体制の見直しに着手し、テレワーク勤務の導入・準フレックスとして時差勤務の導入など、育児中の女性だけでなく全ての人にとっての制度や取組が導入されました。変革や取組を女性だけの内容にしないことも、「自分ごと」として受け止めることに繋がるのではないかと思います。

 

Q.今後、丸安毛糸様が取組を継続するポイントとしてお伝えになられた事を教えてください。
A.産休・育休に入る女性に対しては、産育休前・育休中・育休後に担当部門の上司の方としっかりと面談し意思確認を行い、復帰後の働くイメージを持つことをご提案し、会社としての両立支援の取組については女性だけの権利的導入だけでなく、変化の激しい時代に男女ともに成果をあげられる、強い組織作りのための取組として捉えていただくことをアドバイスさせていただきました。今回のコロナ経験や自然災害なども見越し、どのような社会変化に対しても柔軟に対応出来る組織を作り続けて行くことが、結果的には女性の活躍にも結びついて行くことと思います。

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