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2018.10.31

雇用環境整備支援
(団体課題別人材力支援事業)
『ワークライフバランスセミナー第3回 WLBとBCP』
~日常的に、企業として災害時にどのように備えるべきか~
開催レポート

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2018年10月31日、一般社団法人 日本アパレル・ファッション産業協会人材育成委員会では、「ワークライフバランスセミナー第3回 WLBとBCP」を開催した。

今回のセミナーでは、ワークライフバランスコンサルタントのi-project代表・大西素子氏と、防災・BCPコンサルタントであるニュートンコンサルティング㈱林和志郎氏を講師にお迎えし、会社が存続していく上で重要なBCP(事業継続計画)について理解を深めながら、WLB(ワークライフバランス)の要素をどのように取り入れていくのかについて、貴重なお話をうかがった。

 

 

 

 

なぜBCPが必要なのか

 

今回のセミナーでは、「日常および有事の際の仕事と生活を考え、そこに共通する働き方や組織の在り方に気付くこと。そして、自社にとって必要なアクションとは何かを考えること」を狙いとした。

私たちの周りには、常に無数のリスクが存在する。地震などの自然災害はもちろん、テロや金融危機、突然のシステム障害や流行病など、いつどこで何が起きても不思議ではない。もし企業がこのようなリスクに見舞われたらどうなるか。予想外の損害を被り、下手したら倒産することもあり得るだろう。

 

 

当日の参加者のなかでも、「そもそもBCPという言葉自体を知らなかったが、災害等いつ何があってもおかしくない為、基本的なことから知りたい」「(会社としての)災害対応の知識を得たい」など不安を口にする様子も見られ、不測の事態に備えて、会社として取るべき行動を確認しておきたいという焦りがよく伝わってきた。

 

講師の1人、大西氏は「WLBとBCPは、どちらも仕事と生活をどう維持し、成長・充実させていくのかという点で似ています。最終的にはどちらも、従業員の幸せな暮らしをゴールに据えているんです」と指摘する。

 

 

 

 

BCPですべき2つのこと

 

もう一人の講師、林氏は、東日本大震災をきっかけに、このBCPの世界に飛び込んだという。

「組織は、従業員の生命・財産・身体を率先して守らなければならないと法律で決められています。想定外なので対策をとっていなかったでは済まされません」と力説する。その上でBCPとは、「①組織の資産(まずは人命)を守ること」「事業を続けること」の2点を実行することだと話した。

 

ここでつい混乱しがちなのが、“防災”と“BCP”の違いだ。両者とも求められるのは、「緊急時対応+危機管理」だが、“BCP”にはこれに加えて「事業継続」が求められる。そのため、災害時目安にする指標としては、“防災”なら負傷者・死傷者の数、物的損害額などを対象とするのに対し、“BCP”では目標復旧時間や目標復旧レベル、経営・利害関係者に及ぼす影響などについて、見据えていく。

 

 

そして、最低限必要な3つの対策として、林氏は以下のものを提示した。

 

① 【全社員向け】ポケットハンドブック

② 【責任者向け】対策本部活動要綱

③ 【現場向け】緊急時業務手順

 

 

①は、まず誰に連絡するのか、外出先ではどうするのかなど、災害時の社員の適切な行動を決めて一冊にまとめておくことを指す。

②は、緊急時に対応できる「災害対策本部」のマニュアル作りが必須とのこと。誰がいつまでに何をしておくのかなどを明確にし、緊急連絡先一覧をまとめておく。

③は、重要業務のマニュアルをあらかじめ整理しておく。担当者不在でも重要業務が停止してしまわないよう手を打っておくことがとても重要になってくると説明した。

 

参加者たちは、みな真剣な表情で講師の話に聞き入っていた。

 

 

 

 

WLBとBCPをどう考えるのか

 

講師いわく、緊急時は、通常時よりも一分一秒を争う緊迫した状況に陥る。通信麻痺が起き、社員同士、確実に連絡が取れるとは限らない。特定の人にしかわからない業務をなくし、なるべく色々な人がシェアできるように、情報を共有しておくことが大切だという。

 

また、毎月短い時間でもいいのでBCPについて話し合う場を作った方がいいとのこと。ここで重要なポイントは、出された施策に対し、「やったことがないから無理、無駄」という否定を一切しないことだ。

 

セミナー後半は、こうした講師たちのアドバイスを受け、「ミニカエル会議」をグループで行った。会議ではWLBの視点も取り入れた業務分担を始めとした、さまざまなアイデアが飛び出し、どのグループも付箋紙に意見を書き留める手元が忙しそうだった。

 

 

 

 

セミナーを終えて

 

今回は講義やグループトークのほかにも、自社でどれだけBCPに対応できているかのチェック、実際の安否確認リストや状況確認リストの見本提示、重要関係先一覧をまとめる個人ワークなども充実していた。

 

「BCPに対して不明確な点を知ることが出来た。ポケットハンドブックを作りたいと思う」「部署内・企業として取るべき指針や施策を具体的に考えられた」「災害マニュアルの必要性を強く感じた」など、参加者それぞれの胸にも思うところがあったようだ。

 

明日か10年後か、いつ起こってもおかしくない災害。

その時、自分自身は、会社は、どのように行動し、その身を守って行けるのか。

今回のセミナーを通じてやるべき課題が見えたことで、参加者たちの不安は少し和らいだのではないだろうか。

 

 

 

 

<人材育成委員会担当>

一般社団法人 日本アパレル・ファッション産業協会 事務局:川名

 

<人材育成委員会担当>

アパレル・ファッションコンソーシアム

一般社団法人 日本アパレル・ファッション産業協会 事務局:川田・川名

アデコ株式会社 担当:町田

 

※本事業は(公財)東京しごと財団より委託を受け、アパレル・ファッションコンソーシアムが運営しています。

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